今回はアドラー心理学の入門書「嫌われる勇気」より、「目指すべき行動の指針」について記事にしてみたいと思います。
アドラー心理学のことがよく分かる「嫌われる勇気」の解説も今回で最後です。
前回の記事はこちら。

前回は「自身が普通であることを認める勇気」についてお話ししました。
今の自分の現状をきちんと受け止める、ということですね。
ですが、この言葉、捉え様によってはちょっと後ろ向きな考えに思いませんか?
「はいはい、じゃあ頑張ったところで自分はそれ以上の人間にはなれないってことでしょ」
って。自分が替えのきく人間だと言われているみたいで嫌ですよね。

「本当の私は特別な人間なんだ!」
と現在地を認めず強がることは、以前お話しした優越コンプレックスです。

こじらせて強がって自分を必要以上に大きく見せてしまうことですね。それはいわば今の自分を受容できず目を背け、逃げている状態。
そうやって嘘で固めた自分を演じるのは苦しいと思いませんか?
現状に向き合うことは勇気のいることなのかもしれません。でも向き合おうとしない限りは一生誰かの目を気にして生きなければいけません。
その再スタートを切るための出発点が自己受容です。
現在地を認めることはとても前向きなことなんですよ^^

私たちは過去や未来には生きることができず、現在地である「今」にしか存在することができません。過去は記憶、未来は想像でしか自分を存在させることはできませんよね。
だから私たちが存在できるのは
今という点の連続で成り立っている
と考えることが自然なんです。
過去の記憶の場所にも未来の想像の場所にもこの肉体を持っていくことはできないのだから。

私たちはよく目標に向かって努力することが人生だと思いがちですよね。
その過程は苦しいけれど、その目標を達成するためには多少の犠牲はつきものなんだと考えます。
例えば勉強は嫌いだけれど、合格したらより夢に近づくことができる。卒業して目標とする職について…そうしたら幸せになれる…
先を見越した考えは素晴らしいと思います。
ですが、その過程がただの苦しいものだと思っていたとしたら。それを途中で挫かれたときにあなたの人生は幸せだったと言えるのでしょうか?
だからこそアドラー心理学では今を点で捉えることによって
「人生は常に完結している」
と考えます。
点で捉えると過去の自分も未来の自分も「今」の自分と関係ありません。長期的な目標でさえ「今」立てたもの。それを継続するのも「今」。
これはきっと意識の問題なのかもしれません。
姿としては長期的な目標に向かって努力しているように見えても意識しているのはその瞬間、その点に集中している自分。継続できているように見えるのは、ただその点に集中している自分が続いただけ。
だから私たちに大切なことは「今」という瞬間を懸命に生きることなんです。

今を懸命に生きるとは人生のタスクから逃げないこと。その共同体の対人関係で今やるべきことにきちんと向き合うことです。
アドラーは努力から逃げる様々な言い訳を「人生の嘘」と呼びました。
「時間がないから…」「向いていないから…」
私たちは意識しなければすぐに楽な方に流されがちです。
そして「人生最大の嘘」は「今を生きないこと」
だとも言っています。今ここに生きることができず、過去や未来に目を背ける。そのような生き方は辞めて、今の瞬間の自分に全力を注ぐことが大切ですね^^

これまでに沢山のことをお伝えしてきました。
あまりにも沢山のことなので、全てを一度に行うことは難しいと思います。
そんな時に、自分が指針とすべきものを覚えておくと「これはその指針に沿っているか?」と考えることができます。
そしてアドラー心理学でいう人生の指針とは「他者貢献」です。
「自分が人の役に立っている」ということ。それは主観で大丈夫でしたよね^^
だからこそ、自分が相手のためと思ってしたことならば、その結果嫌われたとしてもそれは仕方のないこと。その「嫌われる勇気」を持つことが大切です。
そうすることであなたは自由に生きることができます。
結局自己受容をして自分のことを認めるのも、他者へ貢献し続けることができるように行うもの。
他者貢献を行動の指針にしつつ、今を懸命に生きる。
このように生きることができれば、あなたは自由で幸せな人生を歩むことができます^^
・現状を受け容れる自己受容は後ろ向きなことではなく、認めることで新たな出発点になる。
・私たちは「今」にしか生きることができない。人生は「今」という点の連続。アドラー心理学では「人生は常に完結している」と考える。
・今にしか居れないのだから、今この瞬間を懸命に生きる。懸命に生きるとは人生のタスクから逃げないこと。
・アドラー心理学では逃げや言い訳のことを「人生の嘘」と呼ぶ。そして人生最大の嘘は「今を生きないこと」。
・自由に幸せに生きるには、他者貢献を行動の指針にしつつ今を懸命に生きる。他者貢献のための行動ならば、時に他人から嫌われる勇気をもつことも必要。

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