【読書感想】『僕の人生には事件が起きない』|生活を面白がる練習
芸人さんのエッセイを読むことにハマっている。
最近読んだのは、ハライチ岩井さんの『僕の人生には事件が起きない』。
なんでもない日常を、面白い日常として描けるのは、芸人さんならではの言葉のセンスなんだろうなと思った。
私は「生活」という言葉がとても好きだ。
ただ淡々と過ぎていく毎日が積み重なっていくことは、実はとても素晴らしいことなんじゃないかと思う。
年齢を重ねるにつれて、「変わらないことを守るために、変わり続ける」という言葉が、以前よりもしっくりくるようになった。
同じように過ごして、同じような生活を続けられるのは、きっと20代くらいまでなんだろう。
仕事も体力も環境も少しずつ変わる。その変化に合わせて生活を整え続けるからこそ、「変わらない日常」は守られているのかもしれない。
本の「おわりに」には、こんな一節があった。
どんな日常でも楽しめる角度が確実にあるんじゃないかと思っている。僕は、事件が起きない僕の人生を、ここから見たら結構面白そうだな、という角度を見つけて皆さんに見てもらえたらと思う。
ー僕の人生には事件が起きないー
本当にその通りだなと思う。
何事もないと思っている一日でも、少し笑えたことやちょっとイラっとしたことなら、記憶に残っていないだけで意外とたくさんあるのかもしれない。
それを芸人さんみたいに上手に料理できたら、日常はもっと面白くなる。
例えば今日。
洗濯槽の洗浄が終わるのが夜中の12時。始める時間を完全に間違えた。この時間から洗濯機を回すのは、さすがに下の階の人に迷惑だろう。
カステラは賞味期限が切れた。
卵は明日までなのに、まだ9個も残っている。
最近一番驚いたのは、開店前のおばちゃん向けフィットネスジムに、たくさんのおばちゃんたちが列を作っていたことだ。
暑い中でも開店を待てる体力があるのは、そのジムで鍛えているからなのかもしれない。
こうして書き出してみると、私の日常にも意外と「何か」はある。
事件と呼ぶほどではないけれど、少し笑える出来事や、小さな失敗や、「なんで?」と思う瞬間。
そんなものを拾い集める視点さえ持てれば、退屈だと思っていた毎日も少しだけ違って見える気がする。
それに、「ネタ探し」だと思えば、普段ならやらないことにも気軽に挑戦できそうだ。
何か特別なことが起きるのを待つよりも、今ある日常を面白がる練習をしていたほうが、案外いい毎日になるのかもしれない。
