今回はアドラー心理学の入門書「嫌われる勇気」より「他者貢献」について記事にしてみたいと思います。
前回の記事はこちら。
前回では自己の価値についてお伝えしました。
そして自分が価値を感じるには「他者の役に立っている」と実感することが大切でしたね^^
「じゃあ人の役に立つことを片っぱしからやっていこう!」
と素直な気持ちで淡々と行えたらいいのですが、人はそうはいかないものです笑
自分が援助してあげたとしても騙す人もいるし、感謝の言葉の一つも言われないかもしれません。
そうすると悲しい気持ちになったり自分だけが損をした気になってバカバカしく思えてきて、継続することが難しくなってくるもの。
つまり、見返りを求めてしまうと他者貢献が辛いものになってしまうということです。
では、見返りを求めず、そしてそれが単なる自己犠牲で終わらないためにはどうすればいいのでしょうか?
そこで必要になってくるのが
・自己受容
・他者信頼
です。
「他者貢献」は、「自己受容」「他者信頼」、この二つと切っても切れない関係になります。
人の役に立つというのは、自分の時間や考えや時にはお金など、自分自身を差し出して行うもの。そこに労力が伴っています。
だからこそ「私はこんなにやってあげているのに」と思うわけですよね。
ですが、あなたも一人くらいは自分の労力を差し出しても手助けをしてあげたいと思う人がいるのではないでしょうか?
それはきっと、あなたにとってとても近しい距離感の人だと思います。
そういう人に対しては「これだけしたんだから、あなたも同じ分だけ返してよ!」とはあまり思わないはず。
純粋に大変そうだから力になってあげたいと思いますよね?
この感覚をそれぞれの共同体(会社、学校、広く言えば世界全体)で思うことができれば、そもそも見返りを求めて援助しようとは思わないはずです。
ここが「他者信頼」に通じるところです。
本書の中では「信頼」と「信用」の違いについて書かれています。
条件付きで相手を信じることを「信用」。これは自分がお金を借りるときなどに今まであなたは支払いを遅れたことがないので信用して貸しますね、というようなこと。
そして
無条件に相手を信じることが「信頼」です。
私たちは他者に対して「信用」ではなく「信頼」をしていく必要があります。
ここがとっても難しいところなのですが、他者を疑ってかかっているうちは相手のことを「仲間」だと思うことができないんです。そうするとその人の役に立とうという気持ちにさえなれません。
信じた結果、相手からひどい仕打ちを受けるかもしれない。でもそれを恐れていたら他者を信頼することができない。だからそこを乗り越える勇気をもつ。
そしてその乗り越える勇気をもつために必要なものは「人の役に立つ」ことで自分の価値を実感することが大切です^^
そう、結局最初の「人の役に立つ」という他者貢献に戻ってくるんです。
・自己受容(今のありのままの自分を受け入れる)
・他者信頼(他人を無条件に信頼する)
・他者貢献(他者の役に立つことで自分の価値を感じれる)
じゃあ結局何からすればいいの?という話になってくるのですが、初めは自分のありのままを受け入れる自己受容から始めるといいと思います。
自己受容は自分のできている部分だけではなく、できていない部分もありのままに認めること。
きちんとここができていると相手に対して上や下で見る縦の関係から抜け出すことができます。
そうすると自分のことを偽る必要がないので、誰に対しても自然体で平等に接する横の関係を築くことができます。横の関係になれれば、仲間意識が芽生えてきます。
仲間意識が芽生えてきたのなら、できる範囲で他者に貢献する。もちろん、そこは行動レベルではなくても「ありがとう」と感謝を伝えるということだけでもいいと思います。あなたの存在自体で救われる人も必ずいますから。
貢献することで自分の価値を実感することができる。価値を実感できると様々なことを乗り越える勇気を持つことができる。
このような形で、全ての物事は繋がっています。
・他者貢献を続けていくには見返りを求めないことが必要。
・見返りを求めず自己犠牲にならないためには「自己受容」と「他者信頼」が大切。
・「自己受容」「他者信頼」「他者貢献」は切っても切れない関係。初めは自分一人で行える自己受容からスタートしてみるといい。
・まずは横の関係を築く。そして仲間を援助する。そうすることで自分の価値を実感できる。様々なことを乗り越える勇気を持てる。
完璧に実践していくことは難しいのかもしれませんが、この中の一つだけでも意識して行動してみるときっとあなたは変わっていきます^^