アドラー心理学「嫌われる勇気」より
今回は「他人との競争」について記事にしてみたいと思います。
他者と良好な関係を築く「課題の分離」に進むための必要なベースなので、理解を深めていきましょう^^
前回の記事はこちら。
「競争」とは他人との「比較」からなります。
前回の劣等感と通じるところがありますが、他人と競争をするから劣等感が生まれます。
それと同時に競争意識は、自分の外側に「敵」を作ることになります。
劣等感は正しく使えば自分を成長させてくれる素晴らしいものでしたね^^
ですが敵を生むことは何も良いことはありません。自分も辛いし、歪み合う関係を作ってしまう原因にもなります。
でもそうなってくると「他人と比較するから劣等感を持ち、優越性の追求に繋がって成長できるのではないか?」という疑問が生まれますよね。
実はこの優越性の追求は「理想の自分になること」を目的とすることであって、
他人に勝つことを目的とすることではありません。
「あの人よりも私は優れている」「あの人よりも私は持っている」という意識ではなく
「自分は少しでも成長できているのか?」と自分の成長に注目することが大切です。
「自分は相手がいた方が分かりやすいし燃える」という方もいるかもしれません。
それは勝てる可能性があるときはいいのかもしれません。
しかし何度頑張ってもそこに追いつけなかったり報われなかったりすると劣等コンプレックスに陥ることもあります。相手の幸せを純粋に喜んであげることができないかもしれないし、逆に相手の失敗を喜んでいる自分になるかもしれません。
また競争するということはいちいち相手の動向を気にしている自分になります。
そんな人生疲れると思いませんか?
アドラー心理学が自由で幸せになるために目指すべきは相手のことを仲間だと思える「仲間意識」。
どうすればその意識になっていけるのかは順を追って記事にしていきますが、競争で見ている世界とは逆の考え方だということをお伝えしておきます。
競争で見る世界は全てを勝ち負けでみてしまいがちです。
それは意見の交換でもあり得ること。ただ話し合いをして、そこからすり合わせていくことを目的としていたはずなのに、我を強く出しすぎると「どちらの方が正しいか」をお互いが押し付け合ってしまいます。
本来の目的を忘れて「自分の意見の方が正しい!」と主張するんですね。
そもそも意見なんて違って当たり前だからこそ話合いをするのに、勝ち負けでみてしまうと
・私の意見の方が正しい
・私は相手より優れている
・相手は私の言うことを聞くべきだ
となってしまいます。
そしてこれってお互いが思っているんですよね笑
競争の視点に立ち相手に正しさを強要されると「こちらも相手を負かしてやろう!」という心理状態になってしまいます。
では、相手が正しさを押し付けてきた時どうすればいいか。
それは「競争をしない」ということ。
具体的には相手が何を言ってきても自分は伝えるべきことだけ伝えて言い争いにのっからない、ということです。
押し付けてきた時点で目的は議論の内容ではなく「相手を屈服させたい」。
そこの目的を考えると自分も冷静に対処できるかもしれませんね^^
すぐに実践することは難しいかもしれませんが、この視点を持っているだけで争う世界は少なくなると思います。
・他人との競争は劣等感と敵を生む。
・健全な劣等感を持つには、自分の成長と比較する
・世界を競争意識で見ない。その視点に立つと相手の幸せを素直に喜べなかったり、相手の失敗を喜ぶような自分になる。
・相手が自分の正しさを押し付けてくる時は、目的が話し合いではなくなっている。競争意識に乗っからず、その場を離れる。
次回はアドラー心理学が目指す「人物像」、乗り越えるべき「人生のタスク」についてお話します^^